icon_t2.gif (1113 バイト)

top12.gif (1956 バイト)

icon_t2.gif (1113 バイト)
  子猫の社会化(改訂版) (2008/3/9)

産箱内

    子猫は生まれて約3週間産箱の中でくらします。アシュレイ家では産箱としてダンボールを利用しています。ダンボールは、産箱内の室温を一定に保つために有効で、出産ごとに清潔なダンボールを購入し母猫の身体にあわせて作ります。 子猫は生まれたときから針のように細い爪を持っているので、産箱内を上手く移動できるようにタオルを敷きます。ダンボールの表面は爪が引っかからないので、何も敷かないと滑ってしまうからです。ただしタオルは過剰に使いません。誤ってタオルを巻き付け窒息する危険を回避するためです。
    アシュレイ家では、産箱内を暖かくするために動物用保温マットを利用しています。これをダンボールの下半分に敷きます。半分にするわけは、熱い場合、母猫や 子猫が、残りの半分の場所に移動できるようにするためです。
 子猫たちは、産箱内で3週間母猫のお乳を飲みます。この時からお乳の奪い合いによる兄姉同士のレスリングが始まるわけですが、母猫のお乳に漏れる子がいないよう注意深く観察します。
他者とのつきあいが始まります


人との社会化

    子猫たちは生後7日から14日の間に目が開きます。その間は、産箱内に直接明るい光を入れることはありません。目が開き始めると産箱の外から声を掛けながら子猫を優しく抱き上げ、鳴かせない程度に膝や胸に抱くようにしています。これがアシュレイの「人と猫のコミュニケーション」のスタートです。猫同士だけで社会を作るのではなく、「人と共に暮らして素晴らしい猫」を育てたい、とアシュレイ家では考えています。目が開く時期の前後から人の手と膝で抱き、人が大好きな子を育てるよう努力します。この時期に母猫から離すことは決してありません。母猫との共同作業があってこそ、健やかな 子猫に育っていきます。
アシュレイの膝の上で人とのつきあいを学びます


四肢のコントロール

    子猫たちは約3〜4週齢で産箱からはって出てきます。だたし産箱はすぐには片づけず、子猫がいつでも産箱に帰れるよう、出入り口に傾斜を設けておきます。
    産箱の周辺をよちよち歩いている状態は、離乳に適切な時期とはいえません。なぜなら、自分で食物をお皿から食べるためには、自分の身体を支え、お皿に向かってかがむ必要があるからです。もしこの動作がスムーズに出来なければ、 子猫は鼻をお皿につっこみ、くしゃみをしなければなりません。離乳のためには、四肢のコントロールが出来る時期を観察し、急ぎすぎないようにします。その見極めは、排便や排尿の姿勢でわかります。なぜならトイレが自分で出来るようになるのは、四肢のコントロールが出来ることの証だからです。したがって、お皿に直接口が付けられる時期は、同時にトイレトレーニングのスタートを意味します。
巣立ちの日まで、母から学び続けます


離乳期

    アシュレイ家の子猫たちは30日前後で離乳期にはいります。子猫の個体によって個性があるので、離乳を急がせることはありません。ですから母親を強制的に子猫から離すわけではありません。緩やかで自然な変化をさせていきます。この時期になると、母猫はそれまでしていた 子猫のおシモの世話から遠のき始めます。子猫が自分でトイレが出来るということは、排泄を促すために刺激する必要が無くなることを意味するからです。
新鮮なご飯で強い体に育ちます


猫同士の社会化

    離乳期も無事終了し、子猫たちは、走り回るようになります。兄姉同士のレスリングと追いかけっこです。あまりに激しい動きになると母猫が子猫を叱って教育をします。お腹を出して仰向けになる「降参」の姿勢を教え、相手を噛みすぎたり爪を出し過ぎたりしないように諭します。
    アシュレイ家では「子猫同士の社会化」と共に、「人との社会化」をとげたバランスのよい子猫を育てたいと思っています。ですから母猫や兄姉猫から早く離しすぎる譲渡は避けています。
猫同士のつきあいを学んでいきます
母猫以外とのつきあいも学びます


快適な部屋

    子猫たちが走り回る時期には、充分な運動が出来る部屋で過ごさせます。アシュレイ家では子猫をケージの中で育てることは一切ありません。新鮮な空気とたっぷりの太陽光線が入る部屋を与えます。充分に運動をさせれば、食欲も旺盛になりますし、お腹の調子も良くなります。身体の健康と心の健康のために 子猫の部屋は必須です。猫は上下運動を好みますので、成猫にはキャットツリーや、家具などに登れるよう工夫しますが、小さすぎる子猫の場合は、落下の原因にもなりますので腰高くらいの高さのものを用意します。
    また、危険なものを排除し、拾い食いをしないよう、子猫が口に含んで危険な物を一切排除します。
太陽が一杯入る快適な部屋で暮らします


おもちゃと爪とぎの用意

    アシュレイ家では、最初に与えるおもちゃは出来るだけ単純なものにしています。猫がニットの玉で遊んでいる図は、漫画にもよくありますが、この時期にニット製のものを与えるのは危険です。なぜなら、 子猫は人間の幼児と同様様々な物を口に含んで確認しますからニットをかみ切り食べてしまう恐れがあるからです。ニットは、子猫の腸を簡単に傷つけることがあります。ですから用意するボールは、ゴム製、プラスチック製などのつるつるしたものが最適です。また、猫じゃらし等は、興奮して口にくわえて噛みちぎる可能性があるのでセロファンなどの鋭利な切り口のものは利用しないようにしています。猫じゃらしは遊ばせた後、かたづけることも大切です。 子猫が猫じゃらしを引きずってステッキで怪我をしないためです。
安全なおもちゃと成長に合わせたツリーを用意します


知能の開発期と個性の把握

    子猫がレスリングや追いかけっこだけではなく、複雑な遊びをし出したら、それは知能がめざましく発達している時期といえます。アシュレイ家では生後約7週齢に子猫の知能がどの程度開発されているかを、様々な方法で確認します。置き物のような猫ではなく、飼い主の様子や考えを洞察できる 子猫、先住猫と上手くやっていけそうな猫など、それぞれの個性を把握し、その良さを引き出せるように一緒に遊び、遊びの中で達成感と充実感を与えるように努力しています。
一緒に暮らして素晴らしい子に育てます
 

個性の尊重

    アシュレイ家では、各々の子の個性を尊重しているので、それぞれの「個性」を的確に把握し、よい部分を伸ばすようにと、努力しています。同じ兄姉でも1頭として同じ性格の子はいません。性格は「先天的な資質」と「後天的な環境」によって作られていきます。「後天的な環境」というファクターは、生まれてくる 子猫には選べません。アシュレイ家は、生まれてくる子猫に出来うる限りの快適な環境を提供し、愛情を注いでいます。
    だからこそ、アシュレイ家では、全ての子猫に対して、自信と誇りを持って旅立たせ続けることができるのです。
個性を見きわめます

初出(2002/2/9)
改訂(2008/3/9)写真を追加

アシュレイ


(c)1997-2011 Ashley All rights reserved.