雑種や老猫、体が不自由になった猫にも等しく愛情を注ぎ続ける誠実な雑誌。仔猫のかわいい状態が永遠に続くのではなくて、老いても病んでも共に飼い主と生きていく動物、という編集姿勢に好感が持てる。また、食餌や健康などの詳細なデーターは、保存できるように配慮してある点も人気の秘密かもしれない。

毎月、大きなテーマに絞って発行されている雑誌。たとえば、「病気について」「出産について」等、その一冊があれば専門的なところまで情報がストックできるというもの。買い損ねたり、欲しいテーマがあったら、バックナンバーを請求できるのもありがたい。情報の保存を前提とした雑誌といえる。

初心者にとっては、猫の「医・食・住」について「知っているつもり」、ということがあるかもしれない。初めてねこを我が家に迎えるときの注意点や、猫が不調を訴えているときは、どんな行動をするか、などが項目別の検索で利用できる。「家庭の医学」の路線で、信頼の一冊といえそう。

「ねこは勝手気ままだから」そう思って、不干渉な関係もまた魅力的だが、猫が人間に様々なコンタクトをとって自分の意志を伝えているのだ、と知ると猫との生活も更に楽しくなること請け合い。「猫が自分から鼻をくっつけてきたときには、仲間として認めている」等、興味深く楽しい記述も満載だ。

文庫版。体裁はＱ＆Ａ形式となっており、知りたいことが目次で簡単に調べられる。一つの問に対しての答えが見開き１ページとテンポもよく、一度にさっと読み通すことができ、その後必要なときに利用できるコンパクトサイズの手引きだ。

様々な純血種の猫の歴史、性格、スタンダード（猫の理想像・基準）が美しい写真とともに紹介されている。純血種を購入する予定がある人は、比較しながら見ることのできるカタログである。色、柄、体型の基本的な呼び方、等の説明もある。また、どこで発祥したのかという地図もあって、猫好きには興味がそそられる一冊かもしれない。

著者は英国の代表的な獣医師として有名。猫関連の著書も多く、ＢＢＳの番組にも出演している。猫の体の仕組みは図解入り、猫のルーツの項目では、猫の系譜が「綱・目・科・属・種」に分けて説明されている。まるで生物の講義を受けているよう。特に医学者としての知識を披瀝している部分は他の本にない特徴となっている。また「猫の抱き方」といったハウツーもイラストと写真入りで役に立つ。「健康管理」の項目は、症状に合わせてチャート式の図解になっており、どの段階で獣医さんに診察してもらうべきかわかりやすい。何より親切なのは巻末に索引が用意されている点だろう。

獲物に対する行動、社会行動を４０年という長期わたって観察した調査研究。多くのネコ関連の著作物はこの著者の行動記録によると言われている。飛びかかりの様子などをイラストでコマ割りして解説してあったり、トラと家ネコとの比較があったりと、多彩な観察結果が報告されている。

猫の病気百科が充実しており、「健康チェック法」が大変役立つ。病院に行くタイミングや、症状の初期、中期、緊急事態、と諸症状が項目別に用意されていて、「使えるガイド」という印象。病気の名前や重大さは各猫雑誌で広く紹介されているものの「どんな症状がでたら危ないか」というところまで踏み込み、飼い主が健康チェックできる記事は少ない。獣医さんが見ればわかる、という専門的なものばかりである。本来飼い主にこそ、病気の初期症状がわかるべきで、それでこそ、早期治療もできるわけだ。そんな要望に答えた手慣れた編集のハンドブックといえよう。

獣医である著者によって書かれた本。猫の骨格、身体の構造、猫の習性、飼育法など、多岐にわたって詳しい説明がされている。猫の育て方の項目では、獣医さんならではの目薬のさし方、錠剤の与え方、応急手当の方法など、イラスト入りで、わかりやすい。また、名前を呼ばれたら「にゃー」と鳴くようにしつける、など、おもわずチャレンジしたくなる飼育方法も紹介されている。

動物行動学専攻の著者が、猫飼い初心者のために優しく指南するコンパクトガイド。Ｑ＆Ａ方式になっており、右のページに文章、左のページには、その内容をわかりやすくイラストと写真で解説するという体裁。見開きで１話題となっているため、手引き書として利用しやすい。