初めてのシャンプー(Update 2001/3/5)

 初めて猫をシャンプーをする時、ご参考下さい。

 初めてシャンプーをする年齢はそれぞれ個体によるでしょうが、仔猫の場合は、猫に一定の体力がつく頃でしょう。成猫の場合も、病気療養中の場合など、問題がある場合には獣医さんに相談しましょう。また、妊娠中の猫の場合は、シャンプーは避けましょう。
 
 仔猫の場合に限って言えば、生後まもなく接種する3種混合ワクチンがありますが、このワクチンが終了し、暫くしてからが無難です。

 初めての猫のシャンプーで注意しなければならないのは、次の2点です。
 1つは、短時間に終了させ、疲れさせない。 次に、シャンプーに抵抗感を抱かせないことです。言うまでもなく、目、鼻、耳へシャンプー剤が入るのを防ぐことが大切で、健康重視が優先されるでしょう。

 下記にまとめたものは、手早く効率よく汚れを取るのを主眼としており、シャンプーと乾かし時間は、合わせて1時間〜1時間半程度で終了するようにしています。 なお、ショーのためのシャンプーや、成猫へのシャンプーは脂汚れをとることや、被毛などのコンディションを重視しますので、手順が変わっていきます。

用意するもの

シャンプー前

  • 爪切り (必ずします)
  • ステンレスコーム (身体全体の被毛をとき、シャンプー剤が付きやすいようにします)

シャンプー中

  • ハブラシ (顎、耳の後ろなど、頭周辺を洗います)
  • 洗い桶 (シャンプー剤を泡立たせる容器として使います)
  • 猫用シャンプー剤 (慣れないうちは、お湯で2倍に薄めます)
  • 猫用リンス (少量を洗い桶で薄め、かけ湯します)
  • 細口のジョウロ (シャワーが嫌いな子、耳後ろ等、顔にすすぎ湯がかからなくするため使います)

乾かし時

  • 脱脂綿 (もしくは綿棒。耳の汚れをふき取ります。汚れがひどい時は前もって耳掃除のローションも用意します)
  • 人間用使い捨て目薬 (シャンプー剤が目に入り充血した場合に洗い流します)
  • ドライヤー (風量調整のできるもの)
  • タオル (洗い上げたときくるみます。ドライヤー嫌いの子のために多めに用意します)
  • (ステンレスコーム) (被毛を立たせるようにして乾かすために使います)

<猫の準備>


爪切りをする

 動物用爪切りで全ての爪を切りそろえる。
どの程度切るかの目安ですが、切り終わった爪の形がU字型のフックにならない程度までです。爪には血管が通っているので、あまり深く切りすぎないように注意します。

 シャンプー前に爪を切る理由は2つあります。
1つは、猫が思わず人の身体に飛び乗り、人間が怪我をしないため。次に、滑りやすいシャワーブースや風呂場で猫が長い爪を折らないためです。
 猫がパニックになるかどうかわからないうちは、洗い手の人間は厚手の衣服を着用するのが無難です。首にタオルを巻いておくのもいいかもしれません。

 猫が人間の身体に飛び乗られないようにするためには、猫の首の下から前脚の付け根に常時片手を置くのが有効です。洗い手にすがってくるようならば、これを回避し続つづけなければなりません。また、ふいに飛び乗らせないため、飛び乗りの体勢をとらせないよう、猫を横向きにさせたり、気を逸らさせるのも効果があります。


猫の全身をコームでとく

 理由は、シャンプー剤の浸透をよくするためです。
(長毛の成猫の場合は、毛玉を作らないためです。)

 コーミングの際に、猫の健康チェックをします。身体を触って、いつもより身体が熱くないかどうか、元気がないかどうかをみます。この時、正常な目の状態を確認します。もし、シャンプー剤が目に入ったら、目の周りが充血するので、すぐに異常が発見できます。


<風呂場の準備>

湯船にお湯を溜める

 2つの理由からします。
 1つ目は、すすぎの際に湯船のお湯に猫を浸すため。2つ目は、寒い冬季にする場合、洗い場を暖めるため。お風呂の暖房がある場合や、夏季はため湯は少量でいいでしょう。

 浴槽内のお湯の温度は、熱すぎないようにします。熱すぎると猫が疲労するからです。人間の肌で、ややぬる目に感じる程度が最初は無難です。これは、個体により好みがあるでしょうから、水に慣れるごとに温度を調節するといいでしょう。

シャンプー剤をお湯で2倍に薄める

 お湯でシャンプー剤を薄める理由は、2つあります。
 1つは暖かく猫の身体に優しいこと、2つ目にすすぎが手早く出来ることです。シャンプー剤の保温の際には、湯船に張った湯に希釈したボトルごと浮かせておくと都合がよいようです。

 シャンプーに慣れていない猫は、要領がわからないため、パニックになる時があります。パニックになった緊急の時には、手早くすすぎをし、洗い上げなければなりません。仮に原液を猫の身体にかけ過ぎていると、不十分なすすぎのまま洗い上げることになってしまいます。シャンプーの行程で最も大切なのが、すすぎです。最初は、お湯で割ったシャンプーから初め、慣れてきて脂がよくでる成猫になったら原液が使えるよう、ステップアップするといいでしょう。
 なお、最初から希釈が必要なシャンプー剤は、さらに希釈率を上げます。


<猫を洗う>

  1. 希釈されたシャンプー剤を洗い桶の中で泡立てます。
  2. 猫の足下から身体全体にゆっくりお湯をかけます。
  3. 泡立てたシャンプー剤を、身体にまんべんなく行き渡らせます。
  4. 全身を泡で包み込むように洗います。
    特に脂がでやすい「耳の後」「しっぽの付け根」と、シャンプー剤が行き渡りにくい「脇」「脚もと」を念入りに洗います。
  5. ハブラシを使って下顎をブラッシングします。
    ここは食べ物などで汚れやすいためです。
  6. 最後に頭全体をハブラシで丁寧にブラッシングします。
    この時、猫がパニックになるようなら、頭は慣れてから洗うようにし、最初は無理に洗わないのが賢明でしょう。
  7. すすぎをします。
     シャワーが使える猫には、シャワーで何度も洗い流します。頭にお湯が落ちると猫がパニックになることが多いので、頭にすすぎ水が落ちないように工夫します。たとえば、猫の頭頂部に片手を立てて、すすぎのお湯を防ぎながら猫の背中に向かって湯が落ちるようにすすぎます。
     シャワーの音が苦手な猫には、細口ジョウロを利用すると細かい部分のすすぎができます。特に「お腹」「脇」「脚」のすすぎをしっかりします。
     すすぎが不十分で、お腹まわりのすすぎが心配な場合は、湯船に猫をそっと下ろして流します。これは、あらかたシャンプー剤がすすげた時点で行います。洗い場にいる猫を抱き上げ、湯船に脚からそっと浸します。毛と毛の間に入ったシャンプーがこの時、湯船の中ですすがれます。

     湯船に猫を移す時、注意する点は、猫の前足が湯船の袖にかろうじて掛かるか掛からないか程度にすることです。そしていつでも猫自身が縁に捕まってはい上がれるように思わせることで、その間、湯船の中で支えながら泳がせます。いつでも、湯船の袖にしがみつけば、はい上がれる安心感を猫に与えることが必要です。
     ただし、成猫は、力が強いため、人間が怪我をすることもありますので、注意します。
  8. リンスをします。
     リンスは、湯桶に少量とかし、猫の身体に掛け湯します。この時「お腹」「脇」などにもいきわたるようにします。
  9. バスタオルに猫をくるみ、お風呂場を出ます。

<乾かし>

  1. 毛を切らないように、濡れた猫の身体をタオルドライします。
  2. 目の粗いコームで毛を立たせながら乾燥させます。
  3. ドライヤーに慣らせるためには風量を少なくします。
  4. ドライヤーに抵抗感を示す猫の場合は、タオルドライを中心にし、冬季はストーブなどを用意し、暖かい場所で乾かします。
  5. ドライヤーを頭前方からかける際には、目に熱風がかからないように注意します。

<健康チェック>


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